認定書や賞状は看板です

 技術認定書、免許証、許可証などは、その人の技能や資格の証明ですから、職業的にいえばひとつの看板です。初めて入った事務所や店舗に、公の団体が交付した技能証明書があれば安心し、感謝状や功労賞が飾られていれば、より信頼感が増します。 大事にしまっておくのではなく、看板として飾りやすい形状の賞状や認定書が求められているといえます。
ある精神科の医師が長年の功績を認められて、真鍮に感謝の文言を刻んだ楯を授与されます。授与式から自宅に帰った医師と妻が、そのプレートを見ながら祝杯をあげているというのが、映画「シックス・センス」の冒頭シーンです。その後二人の運命が暗転して、怖い話になるのですが、これは観てのお楽しみです。 アメリカ映画では、個人で占有の事務所を持っているうらやましい光景がよく写しだされます。そこには、営業許可証や技能証明書、業界の賞を取ったトロフィー、有名人との写真、などなどが飾ってあります。自分を勇気づけ、訪問者を信用させ、事業が円滑に進むように配慮してのことです。先ほどの精神科医も、事務所のもっともよい場所に、楯を飾るつもりだったはずです。
我が国の賞状や認定書は、大きな用紙に墨黒々と書かれ、印鑑を押したものが一般的でした。和室の鴨井に、それらを額に入れて飾ってある光景は、昭和生まれの人間にはなじみ深いものです。今の住宅事情では、和室がない家も増えていますから、鴨井もないわけで、A3サイズの賞状を飾るスペースも見当たりません。賃貸契約で、壁に釘を打てないこともあります。飾りたいが飾れないので、大事に丸めて棚の一番上にしまっておくことになります。これは、頂いた人にとっても、発行した団体にとっても大きな損失です。
いつごろからか、卒業証書はA4程度になり、ブック型のフォルダーに入れて渡されるようになりました。私もいただきましたが、本棚に子供の七五三の写真と一緒にしまってあります。写真はたまに開きますが、証書は卒業年度を確かめる以外は開いたことがありません。いまは、進学率が高くなりましたから、卒業証書そのものにそれほどの価値があるとはいえませんが、有名大学や特殊な学校の卒業証書はその人となりを表すと思います。また、初めて会う人が偶然、同窓であったり、家族が同じ学校であったりといった話の糸口にはなります。証書本体以外に、飾れるような形態のプレートがあってもよいのではないでしょうか。
国土の狭い日本では、かなりの地位か収入がなければ、占有の事務所は持てませんが、たとえ、共有の事務所であっても、資格や賞を証明する楯や額を掲示する工夫をすべきです。店舗であれば、商品と同じかそれ以上に価値のある展示物となるはずです。 「飾りやすい」ということの第一条件は「あまり大きくない」ことかもしれません。A4サイズ以下で、それでいて、品よく目立つ製品ということではないでしょうか。発行する数量や予算など、いろいろな条件が絡みますので、最適な形態を選択するのは、難しいかもしれません。ぜひ、諸条件を箇条書きにしてみてください。考えられる製品をご提案いたします。。